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生産者インタビュー

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フロンティアファーマーズのメインコンテンツ。福島県郡山市で農業を営む皆さんにインタビュー取材しました。彼らがどのように「農」に取り組み、受け継ぎ、繋いでいるのか。彼らの生の言葉で…
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#若手農家

♯41 「この地の田んぼを減らしたくない―」。安積疏水140年の歴史をつなぐ女性生産者の想い

鈴木農園 鈴木麻友さん 郡山の広く美しい田園風景を支える母なる水路、安積疏水。2022年、通水140年の節目を迎えました。高低差を生かして猪苗代湖から郡山盆地へと流れ下るその水路は市内西部一帯に広範囲に張り巡らされ、郡山を全国屈指の米どころへと育てました。 市内安積町で長く米作りを手掛ける鈴木農園では、そんな安積疏水の豊かな流れに守られながら、代々家族で米作りに励んできました。田んぼは安積町のあちこちに広がり、その面積は62町歩を誇ります。 田んぼにお邪魔すると、若い女

#27 生産から卸、小売りまで。親子で目指す、まだどこにもない「ハイブリッド型青果流通」のかたち

COCO FARM 音川充輝さん、和輝さん 2020年3月、郡山で半世紀にわたり野菜や果物の仲卸業を手掛ける音川青果の倉庫の一角に、新しい青果店がオープンしました。名前は「SENDOYA」。市内外各地から仕入れられた、その名の通りフレッシュな野菜たちが並んでいます。 野菜のおいしさやラインナップだけでなく、工夫を凝らしたおしゃれなディスプレイもSENDOYAの魅力の理由の一つ。これまでの青果店にはない店づくりとSNSを活用したPRでファンを増やしています。毎朝開店前からお

#26 「せっかく始めるのだから当たり前ではないことを」新しい農業を探したどり着いたエディブルフラワーの道

せっちょっぱら農園 影山智さん、美樹さん 食べられる花、エディブルフラワー。料理やスイーツに彩りとして添えられているのを、みなさんも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。見た目の美しさ、可愛らしさが大きな魅力ですが、実は栄養価が非常に豊富であるとも言われ注目を集めています。 近年、福島県内でも少しずつエディブルフラワーの生産者が増え始めているようですが、ここ郡山でも、あるご夫婦が2019年からその栽培に取り組んでいます。市内富久山町八山田の影山智さん、美樹さん

#24 コロナを機にライフスタイルを見つめ直し開いた農園。祖母・母と共に取り組む無農薬の野菜作り

いろは農園 半澤美穂さん 郡山を代表する観光スポットの一つ「高柴デコ屋敷」。市東部の西田町にある民芸品の里で、集落内の4軒の家が数百年前から郷土玩具の三春駒や張子人形を作り続けています。またこの地区には、張子で作ったお面をかぶって踊る「高柴ひょっとこ踊り」が受け継がれています。見る人を一瞬で笑顔にするユーモラスなその踊りは、郡山が誇る素晴らしい文化的財産です。 「せっかく写真を撮っていただくので西田らしいものを」 そう言って張子のお面を手にした「いろは農園」の半澤美穂さ

#17 いつかうねめ牛を松坂牛や米沢牛のようなブランドに。父と競い腕を磨く若手肥育農家の挑戦

有限会社武田ファーム 武田侑也さん 郡山が全国に誇る銘柄牛「うねめ牛」。生後約10ヶ月で買ってきた子牛を市内で約20ヶ月にわたり育て、肉質等級「4」以上を獲得した牛の中から、さらに質・グレードが優れているものだけにその名が与えられ、飲食店や小売店へと流通されます。繊細な肉質が特徴で、しっかりとした食感がありつつ脂の重さを感じない、柔らかくなめらかな口当たりの牛肉です。松坂牛や米沢牛といった全国的に有名なブランド牛と同じく、前提は雌牛であること。郡山の豊かな自然のもと愛情たっ