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生産者インタビュー

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フロンティアファーマーズのメインコンテンツ。福島県郡山市で農業を営む皆さんにインタビュー取材しました。彼らがどのように「農」に取り組み、受け継ぎ、繋いでいるのか。彼らの生の言葉で…
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#Uターン

#22 役者、教師を経て70年続く梨農家の3代目へ。先輩達への感謝を胸につなぐ故郷の農業

谷代果樹園 谷代克明さん 郡山の北西部に位置する郡山市熱海町。磐梯熱海温泉で広く知られ湯の町のイメージが強いエリアですが、実は国内有数の「梨どころ」でもあります。その栽培の歴史は明治以来100年以上とも言われ、毎年この地からたくさんの梨が県内、国内の各地へ、またベトナムなど海外へも届けられています。 ここ数年、熱海の梨農家の間では「ジョイント栽培」と呼ばれる新しい栽培方法が積極的に導入され、収量の向上を実現しています。木の幹を片側一方向へ伸ばし、その幹の先端部を隣接する幹

#21 パラオでのダイビングインストラクター生活を経て約20年ぶりの故郷へ。いま農業に抱く「追いつかないほどたくさんの夢」

須藤農彩園 須藤佳英さん 郡山の市街地から東へ約25kmに位置する田村町田母神地区。郡山で最も東にある集落の一つです。標高は500~600m。阿武隈高地の山あいに抱かれたこの土地には、これまで何代にもわたり受け継がれてきた豊かな農業の歴史が息づいています。 今回お邪魔した須藤佳英さんのお宅もそんなご家庭の一つ。庭には幹を中心に大きく左右に枝を張った樹齢300年ともいわれる松の古木が雄々しく根付き、苔むした姿が須藤家のその長い歴史を物語っています。 (写真:お父様の大吉さ

#9 「なくてはならないものを作りシンプルに暮らしたい」—地域の人々に支えられ家族で歩む農業の道

株式会社あぶくま商会 百目鬼昭徳さん、綾子さん スマートフォンがどれだけ普及しても、AIがどれだけ発達しても、インターネットがどれだけ知的好奇心をくすぐっても、日々の生活において変わらず欠かせないもの。「食」の存在はまさに、私たちの命に直結する、なくてはならないものです。 そんな「食」を生み出す農業の魅力に気づき、東京から郡山に居を移して農業に取り組むご夫婦が郡山にいます。百目鬼昭徳さん・綾子さんご夫妻。昭徳さんはかつてIT業界で働いていましたが、2014年、綾子さんの実

#4 始まりは父が建てたビニールハウス。 試行錯誤し辿り着いた、深く甘い「うねめの里大葉」の味

有限会社郡山アグリサービス 代表取締役社長 遠藤喜敬さん 明治時代に誕生した安積疏水は、水利が悪く稲作に適さなかった郡山の土地を猪苗代湖の水によって潤し、豊かな水田地帯へと大きく変貌させました。2017年における郡山市の市町村別水稲収穫量は全国15位(2018年2月28日農林水産省公表)。県内一の米どころとして全国でも毎年上位に名を連ねています。 一方、国の減反政策を受けて長年携わってきたコメの生産をやめ、あるいは縮小して、新たな作物の生産に挑んだ生産者も、ここ郡山にはい